草むら通信(2021年6月)ウェブ版

目次

巻頭言
黄梅の香りに包まれて 代表理事 風間美代子
寄稿 医療のおはなし
私の草むらの会 数井クリニック院長 数井 学
トピックス
助成金のご報告 公益財団法人タチバナ財団より
ご寄付のお願い

黄梅の香りに包まれて

清々しい初夏の季節、雨上がりの澄み渡った空は、どこまでも青く、どこまでも遠く私達の気持ちを解放してくれます。連日の雨に木々の緑も深くたくましさを感じさせ、来る酷暑に耐えるべく体制を整えているように感じます。

相変わらずのコロナ禍の中ではありますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。法人内でも、いかに明るく、安全に事業所内を運営していくか、スタッフの一人ひとりが懸命に情報交換しながら試行錯誤しているところです。

自殺者が11年ぶりに増え、しかも女性や、若者、子供に至るまでの増加だという現実。他人事ではなく、当法人でも、昨年4月から今年3月までで、6人の方が亡くなってしまったという現実があります。その中で、今という一瞬が、そして今日が明日に必ずつながるという保証がないのなら兎も角、今日という普通の日常を大切に自分自身をしっかり受け止めていけるよう、お互いに頑なになるのではなく、柔軟さを大切に調和の取れた心を持ちたいものです。そして、まずご自分が、そして周りの人たちが気持ち良く暮らせるよう、まさに自分自身のマインドセット(思考様式)を変えていくそんな勇気を持つことがとても大事なことだと思います。そうすることからメンバーさんの希望や想いが伝わって、お互いに不必要な自己主張や会話をする必要もなくなってくるのではないでしょうか。一人ひとりがゆるぎない自己肯定感をもてるようになったら最高ですね。

これから蒸し暑くなってきます。体調管理が難しい季節です。梅ジュースでも飲みながらくれぐれもご自愛下さい。

代表理事 風間美代子

寄稿 医療のおはなし 私の草むらの会

私が草むらの会と出会えたのは 石場さんに声をかけてもらったのがきっかけでした。石場さんとは彼が働いていた前の前の職場からのお付き合いで、認知症患者さんと家族を支援するための活動を八王子西部で繰り広げていた時からです。その時から年をとっても石場さんはどうしてこんなに熱いのか珍しい人だなと感じていました。ところが その石場さんが紹介してくださった風間さんこそ、これまた私にとっては驚く程稀有な方でした。

初対面の時にお聞きした草むらストーリーは衝撃的で、種をまいてから今日の姿に成長するまでの20年間の足取りは信じられないものでした。ママ友が集まって始業した団地のレストラン。でもそこで新境地に挑戦しようとしているハンデイを背負った人たちを団地の衆人は受け入れようとはせず苦難の道のりが始まります。それを打破したのが寒天メニューだと聞きました。女性に人気のダイエット料理として大ヒットし団地のレストランはすっかり地域に根差しました。そこから草むらの会の進撃が始まります。

そして遂に一昨年には資産がないにも関わらず八王子市の社会福祉法人として認定されました。これは前例のない画期的なことでありますが、草むらの会の絶え間なく広がり続ける活躍が評価されたものであります。これからどこへ向かい何を探求していくのか私にとっては目の離せない会になっています。もうしばらく草むらウォッチャーでいようと思います。

数井クリニック院長 数井 学

トピックス

4月に設置したミシン

助成金のご報告 公益財団法人タチバナ財団より

2020年度助成事業として「就労継続支援B型事業所夢草子にんじん工房製品制作機器」の決定の通知を頂きました(2021年3月26日付)。

夢草子のにんじん工房では、バッグや財布、人形などの布製品の製造販売を行っています。出来上がった製品は、法人内の飲食店や外部イベントなどで販売を行い、メンバーの工賃の原資となります。新しいミシンの導入により、より多くのメンバーさんが作業に参加出来ます。高性能の機器が導入されることにより、制作意欲も高まり、作業のモチベ―ションアップが通所率の向上につながります。ありがとうございました。

  • 事業総額:148,500円
  • 助成金額:140,000円
  • 自己負担金:8,500円

ご寄付のお願い 認定NPO法人多摩草むらの会 代表理事 風間 美代子

精神科医中井久夫先生が語られた「力の弱い野うさぎを外敵から守る“草むら”があれば野うさぎたちは安心してニンジン畑まで行くことが出来る」平成10年の当会発足以来、私たちはこの言葉を理念として掲げ、より多彩な「草むら」(事業所)を拡大すべく努力を続けています。

昨年から続いているコロナ禍では当法人も多大な影響を受けました。しかしメンバーさんの安心できる「草むら」(事業所)を維持すべく最大限の努力を行っております。そのためにも、より多くの方々のご協力が欠かせません。

多摩草むらの会は、東京都より「認定NPO法人」の指定を受けておりますので、当法人へのご寄付は、「寄付金控除(税額控除)」の対象となり、税制上の優遇措置が講じられます。

つきましては、お一人でも多くの皆さまにご理解とご支援を賜りたく、ご寄付をお願いさせていただきます。一口3,000円として何口でも結構です。郵便振替用紙を添付いたしますのでご協力の程、重ねてよろしくお願い申し上げます。

※控除額には一定の上限額があります。また、所得によっては従来の所得控除方式が有利となる場合があります。詳しくは、最寄の税務署にお問い合わせください。

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