草むら通信(2022年2月)ウェブ版

目次

巻頭言
一陽来復 代表理事 風間美代子
寄稿 医療のおはなし
地域に求められる病院を考える 恩方病院 地域連携室 鈴木 雅咲子
トピックス
年頭所感2022ダイジェスト
「ぱらあーと第31回多摩市みんなの美術作品展」に出品

一陽来復

思いが届かない事があった時、つい落ち込みそうになります。そんな時、頭をよぎるのが一陽来復です。いつまでも嘆いていなくても大丈夫! 悪いことなんていつまでもないよ、きっといい事が待っているから! 真冬の後には、春が来るように、自然界の優しさが身に沁みる今日この頃です。皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。

最近、精神障がい者の方達が、一般企業で働くということの難しさを感じさせられる出来事にいくつか出会い考えさせられました。彼らは人間誰しもそう思っているように、人の役に立ちたい、必要とされたいといつも意識しすぎて、つい自分自身に厳しくしてしまうと同時に、周りに相談出来ず孤立し、気がついたら立ち上がれないほどの傷を負ってしまうのです。

そんな彼らの声なき声をキャッチできるような方が周りに一人でもいらしたら辞めずに済んだのではないだろうか、彼らを企業に送り出した支援者達の誰かに相談出来なかったんだろうか、家族の対応は、等々、つい残念なあまり原因探しをして知らず知らず、より彼らを追い詰めている、そんな自分に気がつき、はっとする事があります。

起こってしまったことは仕方がない事として、それでも戻ってきてくれた彼らに感謝し、そんな中から彼らが、再びささやかな幸せを見つけ、少しずつ自己肯定感を高めて歩き始めるのを見守り続けたいと思います。本当に月単位、年単位になるかも知れませんが、それがより彼等が強く生きて行ける様になるという希望に繋がっていくのだと思います。

春の始まりも目には見えない風の気配や、鳥達の声が最初の兆しとしてあらわれます。きっと大事なことは目には見えないけれど心で感じるものなのでしょうね! 春とは名のみの寒風吹きすさぶなかで、清楚な水仙の香りが心を和ませてくれます。どうぞ皆さまお寒い中で体調など崩されませんよう、春はすぐそばまで来ています。

代表理事 風間美代子

寄稿 医療のおはなし 地域に求められる病院を考える

恩方病院では前回お伝えしたように、薬などの医療面だけでなく食事や日々の口腔ケア、余暇活動を充実させることによる生活習慣の改善からの回復にも着目し、各職種が一丸となって支援に取り組んでいます。

先月号でお伝えしたクロザピンは、関東では 127(図1)の登録医療機関があり、東京都は 40 箇所と関東では最も多くの医療機関が登録されています。しかし、東京都のクロザピンの患者登録数は千葉県より少ないという現状があります(図 2)。また、人口対比でいえば精神科病床数が多い八王子市では、精神疾患を抱える方がより多い事が予測されますが、登録されている医療機関は当院を含め 5 箇所と少ないのが現状です。

当院ではクロザピンの使用によって 5 年以上長く入院されていた方が自宅に退院された実績もあり、薬の有効性を目の当りにするとともに地域で暮らすという選択肢を広げられたことにスタッフ一同喜びを感じております。これからも当院で提供できる治療法・環境によって医療が必要な方に適切な治療と、退院後の生活を支えていきながら「地域包括ケアシステム」に則った流れを、地域の皆様と創って参りたいと思います。

また、地域に必要とされる病院を目指し、これまで以上に地域の皆様方と連携していきたいです。これからの恩方病院にぜひご期待ください。何かあれば地域連携室までお気軽にご連絡ください。

図1
図1 関東登録医療機関(127個所) 都道府県別CPMS登録医療機関 2021年10月29日現在
図2
図2 関東患者登録数(2,960人)

恩方病院 地域連携室 鈴木雅咲子

トピックス

年頭所感 2022 ダイジェスト

新年明けましておめでとうございます。

コロナ禍で世界中で混乱が続いていますが、当法人では、職員の皆様の協力によって、影響を最小限に抑えるべく最大限の努力、日々の取り組みとして、予防意識を高め事業所の利用継続に努められたことに対し、この場をお借りしてお礼申し上げます。

いまだ厳しい経営状況ではありますが、経営改善の努力により前向きに進んでいます。

この環境下でも「メンバーお楽しみ会」を実現し、草むららしく、職員とメンバーさんが一体となって有意義な時間を過ごすこともできました。

時代は大きく変化してきています。より良い変化に向け、一人ひとりが長期的な視野に立ち、繊細な心配りと草むらの一員としての自覚を持ち行動しましょう。

草むらの理念である「福祉の枠を超えた社会の実現」に向け、確固たる信念をもって「安心安全な草むら」を作りましょう。

2022年の干支は「壬寅(みずのえ・とら)」。冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれる年になるという、春の胎動が大きく花開くためには、地道な自分磨きを行い、実力を養う必要があります。今年一年がオール草むらにとってまた皆さん方にとってより一層充実した年になりますことを願って新年のあいさつといたします。

2022年(令和4年)1月7日

認定NPO法人多摩草むらの会
代表理事 風間美代子
代表理事 村上 秀平

社会福祉法人草むら
理事長 風間 美代子

「ぱらあーと第31回多摩市みんなの美術作品展」に出品

夢像と夢うさぎの展示作品

永山公民館市民ギャラリーにて12月6日(月曜日)から12月11日(土曜日)まで開催された、「ぱらあーと 第31回多摩市みんなの美術作品展」に夢像と夢うさぎメンバーが出品しました。

今年は 市制施行50周年を記念して、諏訪・永山名店街でも12月11日(土曜日)に障がい当事者と来場者とのコミュニケーションを生む「参加型アート」が新たに併催され、永山名店街で開催された「みんなの美術作品展」にも夢像メンバーが参加し、地域の子供さんを対象としたワークショップを実施しました。

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