草むら通信(2022年5月)ウェブ版

目次

巻頭言
青嵐せいらん促されうながされ 代表理事 風間美代子
寄稿 医療のおはなし
診療報酬改定とこれからの精神科医療について(2) 医療法人永寿会 恩方病院 事務長 森本祐治
トピックス
総会開催のお知らせ
編集委員のご紹介
小山内裏公園で野菜の販売

青嵐せいらん促されうながされ

五月晴れのなか、皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。早朝、自然の中をひたすら歩いていると、足元は一面柔らかな緑におおわれ、見上げる先には新緑が眩いまばゆいばかりに広がり、透明な朝の空気を胸一杯吸い込むと、萌え出る命の香りは私にたくさんのエネルギーを与えてくれるようです。

思い起こせば2019年5月は令和のスタートの時期でもあり、社会福祉法人草むらの開所式をとりおこなった年でもあります。早いものであっという間に3年の月日が流れました。皆様との約束でもありました、障害を超えていわゆる弱者と言われる方達、生活困窮者こんきゅうしゃ、障害児、高齢者等ソーシャルインクルージョンをベースにしたソーシャルファームを目標に進んできました。コロナ禍でもありなかなか思うように活動できませんでしたが、地域の方々との連携は南大沢連絡協議会を立ち上げ、2年余りの間に色々な繋がりができました。

その中で本当に大変な問題を抱えていらっしゃる方々からの相談も増え、6月からは少しでも問題解決の糸口になったらいいなという思いで、先ずはどんな方々でも孤食こしょくを防ぐためにモーニングサービスを週一回、朝の7時から行うことにしました。高齢者、学生、子供達等、対象を絞らずに取り敢えず始めようと思います。お手伝いしてくださる有償ゆうしょうボランティアさん大募集です。ぜひご応募下さい。

また新しい出会いに今から胸がワクワクします。人間が前向きに生きる為には新しい出会いの中でお互いが認め合ってかけがえの無い存在となって行く事だと思います。その為にも閉じこもる事なく、大いに外に出ていろんな方々との出会いの場を作り、新しいコミュニケーションの在り方を考えて行きたいと思います。

5月は初鰹はつがつおの季節です。かつおは「勝つ男」と書けることから「勝負に勝つ」縁起の良い食べ物とされているようです。勝つためにも健康第一です。くれぐれもご自愛ください。

代表理事 風間美代子

寄稿 医療のおはなし 診療報酬改定とこれからの精神科医療について(2)

診療報酬の体系が変わると、医療機関は自らの医療提供体制を変えなければならないことは前月号で説明させていただきました。それを踏まえて、今号以降は今後の精神科医療について触れたいと思います。

我が国では長い間、精神疾患の方に対して隔離的な政策をとってきています。「日本には全世界の精神科病床の20%がある」と言われるほど、精神科病床が多くあります。その理由は様々ありますが、ひとことで述べると、「精神科病院が精神疾患の方たちの生活の場となっている」からです。社会も、患者さんも、そのご家族も、そして精神科病院もそれが一番都合がよいと思ってきたからではないでしょうか。諸外国のように、精神疾患のある方を社会全体で支える仕組みがあればその姿も変わってくると思います。

それでも、近年は少しずつではありますが、地域で生活する方が増えてきています。その理由として、ひとつは精神保健に関する法律が改正され、各自治体の保健所が精神疾患の方への在宅支援を進め始めたことです。特に措置入院の方が病院を退院する際には、その方の居住する地域の保健所と、治療を行った病院が協同して在宅支援を行うことが義務化されたことは大きな動きだったと思います。 

精神疾患をお持ちでも地域で生活する方が増え始めたもう一つの理由は、長期的な入院よりも急性期治療や在宅での治療に評価が高まったことです。これには、精神科医療に関する研究が進んだことや、新たな治療薬の開発などの基盤があってのことですが、他の疾病と同様に「早期発見、早期治療」が重症化を防ぐ効果に繋がっています。重症化が防げれば、従来のように「年単位」での入院生活を送るのではなく、1~2か月程度の入院治療の後は、定期的な通院治療で社会生活を送ることができるようにもなります。

もちろん、その疾病の種類や症状により、全ての方がそのようになるわけではありませんが、10年、20年前に比べるとかなりの確率で早期退院できる方が増えています。全国の精神科病床は約33万床あり、約29万人の方が入院されています。莫大な数字ですが、それでも15年前より入院患者数は約4万人減少しています。国は更に地域包括ケアシステムを構築し、入院から在宅への推進を図っており、将来的には精神科病床を8万床から10万床程度削減したいと考えているとも言われています。

そこで活躍するのが診療報酬です。先ほども述べたように、急性期治療や在宅治療に診療報酬を厚くする(点数を上げる)と、多くの医療機関が長期入院者の確保ではなく、急性期治療や在宅支援にシフトしてくるわけです。次号に続く

医療法人永寿会 恩方病院 事務長 森本 祐治

トピックス

総会開催のお知らせ

コロナ禍の昨年は会場への参加人員を限定して開催しました

 令和3年度の第18回認定NPO法人多摩草むらの会 定時総会を6月17日(金)に開催します。正会員の方には、開催に関する詳細を別途お知らせします。

昨年より続いているコロナ禍の中、認定NPO法人多摩草むらの会、社会福祉法人草むら、農地所有適格法人株式会社グリーンガーラの3法人の連動の下、取り組んできた支援の充実、地域社会との連携強化、収益事業の拡大等の振り返りと、次年度の方向性についてお諮りします。

編集委員のご紹介

令和4年4月より新しい陣容で草むら通信の編集会議活動を開始しました。今後とも宜しくお願いします。

委員紹介(敬称略)
右手前から澤 純一(認定NPO法人多摩草むらの会事務局)岩永 直美(草夢)、小林 和弘(夢草子)、風間 美代子(認定NPO法人多摩草むらの会代表理事、社会福祉法人草むら理事長)、本尾 智(夢来)、上右円内 大澤 龍生(PC夢像)、上左円内 國本 秀夫(認定NPO法人多摩草むらの会事務局)

小山内裏公園で野菜の販売

散歩がてらにお越しください

3年11月より、毎月第1と第3水曜日の午前中(10時~12時)小山内裏公園 パークセンター前にて野菜の販売を行っています。

内裏公園は多摩ニュータウンの西部に位置する大きな公園で、外販を行っているパークセンターはニュータウン通りの真上あたり(西側)です。皆様のお越しをお待ちしております。

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