草むら通信(2022年8月)ウェブ版

目次

巻頭言
緑陰を求めて 代表理事 風間美代子
寄稿 医療のおはなし
歩みを合わせて 調布市こころの健康支援センター センター長 木内 洋
トピックス
社会福祉法人多摩市社会福祉協議会より補助金
認定NPO法人多摩草むらの会第18回定時総会を開催しました

緑陰を求めて

秋立つ、とは言いながら暑さは少しも衰えず、厳しい暑さが続く中、我が家では大輪の芙蓉の花越しに吹いてくる涼風が恋しい日々が続いています。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

車を走らせていると、百日紅の花の通りに出逢います。炎天下にもめげず、100日間も花が咲き続ける事から百日紅の名前がついたそうです。どちらかと言うと名前の由来につきましては、私などは木肌が滑らか過ぎて猿でも登れないので「さるすべり」だと子供の頃聞かされた事が印象に残っています。本当に猿は登れないのでしょうか。是非見てみたいですね。 兎も角、少々雨が降らなくても枯れることなく次から次へと花を咲かせ茂っていく生命力の強さには驚かされます。そしてそこを通り過ぎるたびに、メンバーさん達がどんな境遇にあってもこの花達のように元気でいられる事を瞬時に祈ってしまう、毎年そんな習慣がついたようです。

最近メンバーさん達への支援について考えさせられる事が多くなりました。自然治癒力、これを共に引き出していく事。それには何より彼等が治りたいという気持ちを強く持てるような目標、或いは夢や希望を共に見つけていく事。そして何より彼等が中心になって治療を進めていける事。それらは揺るぎない思いだったはずですが、自然治癒力、本当に神様は平等に与えてくださっているのだろうか、などと不謹慎な思いに駆られる出来事が、残念ながら多くなりました。彼等を取り巻く環境、そしてこの国を取り巻く世界情勢が難しくなってきたように思います。どんな環境になっても力強く雑草のように伸びていきたいものです。

今、最も多く何処でも見られる色とりどりの朝顔は、朝の光を受けて咲くのではなく、それに先立つ夜の暗さや、冷たさを超えてはじめて咲く事が出来るそうです。今置かれている環境が苦しくても、四面楚歌だと思う事があっても、そのうちきっと大輪の花を咲かせられる! 朝顔を見ているとそんな日がきっと訪れるような気がします。

代表理事 風間美代子

寄稿 医療のおはなし 歩みを合わせて

調布市こころの健康支援センターは、市の独自事業としての相談・デイ事業・家族支援や講演会の普及啓発事業、国事業である生活訓練や計画相談事業など、調布市民を対象とした精神保健福祉の総合的なセンターです。

当センターは開設して16年が経過します。家から出ることが難しかった方がセンターとのつながりをもち、そこに行ってみようと少しずつ思えるようになり、プログラムやグループワークで仲間と出会い、自信をつけて作業所や一般就労など次のステップに進まれています。

草むらの会の皆さまには当初より同じ京王線上ということもあってたくさんのセンター利用者を受け入れてくださりました。私も当時は一相談員として、各事業所の見学の同行をしていました。特に思い出に残っているのは、夢畑において、体験利用も一緒に行ったことです。メンバーの皆さんと新しい作地開拓のために鍬をもって終日耕した時が懐かしいです。その日に行う作業を皆さんが積極的に手を挙げて役割を決めていたことも印象的でした。あの時に菌床栽培していたシイタケがとても美味しそうに見えたこと、今でも鮮明に覚えています。

現在、当センター利用者が草むらの会の各事業所に計7名通所されています。担当職員が事業所へ訪問や面談にて、日々の奮闘のご様子、行き帰りの電車などで考えたことなど、色々なお話を伺っています。

私たちは、この歩みの中で辛いことやうれしかったことを一緒に振り返りつつ、その人らしく地域で生活できるためのより良い支援を目指しています。こころの病となっても少しずつ回復し、いい方向にむかっているというご自身の実感と喜びを共有できる瞬間に支援者自身も勇気づけられます。これからもよろしくお願いいたします。

調布市こころの健康支援センター センター長 木内 洋

トピックス

社会福祉法人多摩市社会福祉協議会より補助金

今回の補助金は、広報活動の活性化として「草むら通信」の制作並びに発送を充実させるためのもので、メンバーとスタッフが共同で運営、作業を行っています。多摩市社会福祉協議会へ感謝の意を申し上げるとともに、情報発信と地域交流に貢献すべく、今後ともより良い情報発信を続けて行きたいと思います。(助成金額 180,000円)

夢来では折り作業の後、2枚を合わせるスクラム製本作業を行います

認定NPO法人多摩草むらの会第18回定時総会を開催しました 6月17日夢うさぎ会議室

コロナ感染拡大防止の観点から、書面評決および委任状を中心として議事が進行。令和3年度の事業報告、決算報告、令和4年度の役員構成、令和4年度の事業計画並びに予算について審議を行い、すべてご承認いただきました。令和4年度の役員構成は、前年度役員の皆様が引き続き理事、監事にご就任いただく事となりました。

総会後、令和4年度の第一回目の理事会が開かれ、風間理事と村上理事のお二人が代表理事に、新倉理事が副代表に就任されました。

後列(左から):田崎理事(再任)、萩生田理事(再任)、藤本理事(再任)、野城監事(再任)前列(左から):村上代表理事(再任)、風間代表理事(再任)、新倉副代表理事(再任)
全ての案件について真剣な審議が行われました

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