目次
- 巻頭言
- 行く夏に想いを馳せて 代表理事 風間美代子
- トピックス
- 公益財団法人JKAより送迎車の助成
庭先に降り注ぐ陽光が、まるで夏の残像のように感じられる午後、ふと足下に目をやると、素朴でヤンチャ坊主のような吾亦紅達が涼やかな風にゆらゆら揺れています。今年の夏は猛暑よりも厳しい現実の中で、日々の流れについて行けるよう、兎も角祈り続け、精一杯頑張ったような気がします。
大切な人達との永遠の別れは頭では分かっていても、とても受け入れがたく何度も心が折れそうになりました。そんな時出会う自然界の景色や植物達は何より私を慰め、応援していてくれるように思えます。亡き人の好きだった吾亦紅も又その一つです。花言葉は「変化」。移ろいゆく季節や時代にも流されず、淡々とマイペースで咲いている姿には、生前の彼女を偲ばせます。
先日、公益社団法人日本精神神経学会が今年の5月に発表した「我が国の精神科医療、保健福祉のあるべき姿について」という提言の中で、課題として挙げられている、急性期医療における患者の尊厳について、
「全ての精神科医療従事者が常に技術の向上に努め、標準的かつ先進的で個々の患者の状態に応じた適切な治療を提供し、患者に最大の敬意を払い共感的な態度で関わりを持って不安・不信を軽滅させること、十分な意思決定支援を行う事が必要」*とし、さらに、「強制医療及び行動制限の実施に透明性を担保することも重要」と指摘していました。また、私達家族や当事者が、まさに共生社会実現のためにも医療や福祉にもっと積極的に参画し、社会に対して情報発信していくことの重要性も書かれてありました。
コロナ禍で、残念ながら法人内でも色々な取り組みの中断や制限を余儀なくされていました。しかし、今こそ心新たに共生社会実現に向けてオール草むらでメンバー、スタッフと共に地域の方々との心躍る出会いの場を沢山作っていく所存です。皆様の応援心より御願い申し上げます。
季節の変わり目です。夏の疲れなど出ませんようご自愛くださいませ。
※公益社団法人日本精神神経学会WEBサイト「我が国の精神科医療、保健福祉のあるべき姿について」2頁「3.日本の精神科医療体制の課題」より
代表理事 風間美代子
今回、同法人から助成いただいた送迎車は7月上旬に納車され、すでに運用が始まっております。この送迎車は一度に9名もの利用者を乗せることができ、待たせることもほとんどなく最寄り駅までの送迎が出来る様になりました。また、スタッフの送迎回数が減ることでメンバーさんへの細やかな対応や燃料経費の削減も出来る様になりました。